9.27.2012

Be a Gentleman.

こんにちは。

少しの間、アトリエのお休みをいただきましてありがとうございました。

そして、2日間生地の仕入れや展示会など東京都内をまわって来ました。

新たなシルク専門のお店を見つけたり、
すでに製作をはじめているお客様の顔を思い浮かべながら、
こんな生地が似合うかなと思案したり。
アンティークのレースやパーツを豊富に扱うお店は
毎回、必ず立ち寄るお店なのですが、毎回時間を忘れて
あれもこれもと選んでしまいます。

今回仕入れてきたもので、また数点オリジナルのアクセサリーを
作る予定です。ドレスとコーディネイトしていただいて、
ミニュイだけの、花嫁さんのスタイルがつくれたらと思っています。

そして、前回出展させていただいたhoshinoiroのvol.3にも遊びにいきました。



久しぶりに出展クリエイターのみなさんにも会い、またウェディングに
関する話や今後の展開など色んなことをお話して、
わたしもまたすごく刺激とエネルギーをいただきました。
あとは、新しいことの打ち合わせも。。


前期は終わりましたが、後期は10/2までやってますので
お近くの方はぜひ足を運んでみてください。
渋谷PARCOロゴスギャラリーで開催しています。


************


そして、よくご質問をいただくのが新郎のスタイル。
ドレスはオーダーで、オリジナルの特別なものを、となったら
「僕は何を着ればいいですか?」とよく聞かれます。笑

レンタルのタキシードももちろんアリだと思いますが、
私的には新郎様もスーツを仕立ててはいかがですか、とお勧めしています。
生地を選んでパンツ・ベスト・ジャケットの3ピースを仕立てても素敵ですが
カジュアルな式場ならベストだけ仕立てて手持ちのパンツと合わせる、
とかバリエーションは色々と考えられそう。

なにより、自身のサイズに合わせて仕立てたものは
ほんとうにかっこいいです。

金沢でほんとうにかっこいいと思うスーツスタイルの人は
ほとんど見かけないね、という話を以前あるお店の
オーナーさん(男性)としていたことがあるのですが
(すごーくかっこいい和服スタイルの男性は見かけます!!)
普段なかなか着る機会はないにしても、特別なときに、
自分だけのそれがある人というのはすごく魅力的ですね。

という思いを以前から抱いていたので今回、そういうお店にも
ちょっと足を運んでみました。






この本みたいに並んでいるものは全て生地の見本。

これを見ただけで、男性でなくとも、
普段作っている側のわたしでもすごくワクワクしました。
この中から3ピースの生地を選ぶ。
有限だけど、無限の可能性を感じます。。


正直、男性のテーラーの世界というのは
女の子の世界とは全く別ものというか、、、
なにかひとつ選ぶにしても視点が全然違うので
なかなか入り込めない世界だと思っていて、
だからこそ、とても憧れる世界でもあります。
様々なテーラーのお店がありますが、個人的にはすごく好きなお店です。
スーツラインはTAISHI NOBUKUNIの信国太志氏がプロデュースしています。
ぜひ、花嫁さんだけでなくお2人で、コーディネイトを楽しんでくださいね。

そして、ここで個人的なお買い物も。。
仕事用にシンプルで、長く使えて、大きなサイズの
レザーのバッグを探していたのですが
これは10年使えそう、というの見つけてしまいお持ち帰りしました。。

このバッグをみたときに、
髭に白髪が混じって、ネイビーのチェックのネルシャツを
着たおじさまがスターバックスで
エスプレッソショットを追加したラテを飲みながら
外のテラスで仕事の打ち合わせをしている、その脇にどん、と
このバッグが威厳を持って居る様子がなんだか想像できて、
その雰囲気で買いました。笑
(わたしはそれにはなれないな、どうしよう。。)





STANLEY&SONS

NY./Brooklynで1組のカップルが手作業でひとつひとつ作っているそうです。
レザーの経年変化をこれからゆっくり楽しめそう。


わたしには10年後のミニュイのヴィジョンがあって、
この大きなかばんにいっぱい夢をつめて、
これからの10年を一緒に歩いてくれそうです。





9.23.2012

おしらせ

SEP 24(mon)-25(tue)

出張のため、アトリエcloseいたします。

電話・メールは携帯の方にそのまま転送になりますので

お問い合わせやご予約などはお気軽にどうぞ。


よろしくお願いいたします。




こものたち

秋ってどうしてこんなに静かなんでしょう。

そして星が特別にきれい。大好きな季節。


やっと涼しくなってきて、ウェディングを控えた花嫁さんも
多くなってきて、みなさんとても忙しそう。
ミニュイもまさに今、オンシーズン。
新しいドレスがどんどん出来てきて、
毎日残業ですが、楽しい毎日です。
季節の変わり目でもあるので、体調崩さないよう、
みなさまもご自愛くださいませ。


オーダーメイドのドレスの他、ミニュイでは最近ちょこちょこ
遠方からのお客様の小物のオーダーも増えて来ています。
(ほんとうにありがとうございます!)




 最近つくった子たち。


Rosesがやっぱり一番人気です。
オーダーしてくださったお姉さんから妹さんへの想いを添えて。


ワンクリックでポチッと商品が買えるようなシステムには
あえてしていないのですが、
それでも問い合わせのメールをくださり、
合わせるドレスのお色やデザインなどのお話をさせていただいたり、
妹さんへのプレゼントにしたいということでオーダーをいただき、
ずっと一緒に育ってきた妹さんへの想いを教えてくださったり。

直接お会いしてお話はできなくとも、伝わるものがあって、
作る手にも、自然と思いがこもります。
(ミニュイのお客様はいつも、本当に優しくて丁寧な方ばかりで
こちらの方が温かい気持ちにしてもらってばかりです。)
その、それぞれの方が抱く素敵な想いを実現するお手伝いを
ほんの少しでも、ミニュイがさせていただけることは本当に幸せです。



どの花嫁さんも、素敵な1日になりますように。

CM

ブログでのお知らせが遅れてしまいましたが
9/20より結婚讃歌さんの北陸版の新しいCMが
OAスタートしています。





今回のこのCMでlecture du minuitの
ドレスとヘッドアクセサリーを使用していただきました。
歌は京都のアーティストYeYeさん。
ヘッドアクセサリーはYeYeさんのギターのストラップについてます。
小柄で、CMの雰囲気そのままのとっても可愛らしい方でした*

富山・石川・福井の3県で流れるそうなので
みなさまぜひチェックしてみてください*



この撮影も、当日はわたしは行かなかったのですが
前日のフィッティングに入らせていただいて
こういうお仕事はあまり経験がないのでちょっとドキドキしてましたが
プロデューサーさんはじめ、ディレクターさん、ヘアメイクさん、
みなさんいい方で、とっても楽しくお仕事させていただきました*

点と点がつながって、また新しい線になる
人との出会いって素敵だなぁとまた改めて思った日。


ありがとうございました!

9.09.2012

よりそい たゆたふ

まだ夏の暑さががじんわりと残る今日
たわわに実ったぶどうの下でお客様の挙式が行われました。






わたしはご準備のお手伝いに入らせていただき、
そのまま挙式まで拝見させていただきました。

バージンロードにぶどうの影が風に揺れてとてもきれい






仲の良いお2人の人前式は
本当にお2人らしさでいっぱいで、参列されたお友達の様子を
見ているとお2人がどれだけみんなに好かれているかが伝わる
あたたかいお式でした。
はなよめさんのお父様もとってもおもしろくて
(きっと寂しさや、緊張を隠すためなのもあるんだろうな!と思ってましたが)
ご家族の仲の良さも伝わってきて、後ろから見ていて
自然とにっこりしてしまうような本当にすてきな時間でした。




ドレスはカジュアルなものが着られたいということで
レースなどは使わず、華奢な体に沿うように滑らかなジョーゼットと
やわらかいシフォンを重ね、はなよめさんのキャラクターそのままに
見た目の凛とした大人っぽさ、美しさに
可愛さのスパイスを少しだけ加えました。





たんぽぽの花のように笑い
夏の海の波のおと そこに吹く風のように
さわやかで 気持ちの良い性格
そのベースにはほんとうにまわりの人を思う
思いやりと優しさがしっかりと
澄んだ地下水のように流れていて
ほんとうに素敵なはなよめさん




そんな彼女に寄り添って
優しく、やわらかく風にたゆたふようなドレスをお仕立ていたしました。



彼もその優しさが伝染しているのか
彼の優しさが彼女に伝染しているのか

たぶん、どっちもなんだろうな。

とても思いやりのある優しい彼で、楽しくて、
彼女への愛情が伝わってきて、

あぁもう本当にすてきなお2人でした*





アクセサリーも挙式ではミニュイのplanet tiara&earringを合わせて、
パーティの際はbutterfly ring&armletをおつくりしました。
(写真はメイクリハのときのもの)



butterfly ringははなよめさんから大切なお友達へのプレゼントとして
お揃いでお作りして、今日はお友達もお揃いで
リングをつけてくださっていました。






チェンジ後のお写真撮れませんでしたがパーティでは
後ろのリボンとトレーンを外し、
ウエストまわりに少しボリュームを足し、また違った雰囲気に。
ヘアにはグリーンを中心にした生花を。
すごく可愛かったです。
(お写真撮れなくて本当に残念…!)












ミニュイに出会っていただき
何度も大切な時間を割いてアトリエに通っていただき
素敵な1日のお手伝いをさせていただき、ありがとうございました。


ほんとうにおめでとうございます*



9.04.2012

9.4

こんにちは。
もう9月ですね。
日めくりカレンダーみたいに
秋への切符を毎日めくっているようで嬉しいです。
ぜんぶめくっていったら、そこに待っているのは秋!
という感じ。

でもいつも、それを眺めてうっとりしているうちに
それは冬に混じりこんでいって
気づいたら秋の向こうまで自然にめくられていて
寒さにストールをぎゅっと体に寄せたときに、
もう秋は過ぎたのだと気づく。

秋ってなんて儚いのだろう。
でもそこがすき。



しばらくブログを書いていなかったらうまく書けない。
なので今日はリハビリみたいな感じです。



数日前、お昼ご飯を買いにアトリエの外に出たら
ちょうどのタイミングで大雨が降って来て、
しばらくどこかのお店の軒下から出られなくなってしまいました。

目の前を通っていく人は傘の中に身を隠すように歩いて行く。

通り過ぎて行く車の人たちは、
雨のすごさから守られた涼しい車の中で楽しそうに笑っている。
日曜日だからきっとデートとかしてるんだ。

当然だけど、わたしに傘を差し出してくれる人もいるはずもなく、
一人でずっと雨が気まぐれに強くなる様を見ていると
数年前、東京で見た景色と重なった。

そのときは東京で仕事をしていて、電車から降りて家までの帰り道。
急に大雨が降ってきて、わたしはいつも寄る本屋さんの軒下に逃れた。
その日はたしか珍しく仕事が残業なく終わって、帰宅ラッシュの時間帯だったから
わたしが一人で本屋さんの軒下にいると、傘を持った人たちが流れていく。
わたしと同じように雨宿りをしていた人たち。
わたしが途方もなく空を見上げていたら、誰か家族や恋人が
傘を持ってお迎えにきていた。
一人、また一人とそのお迎えの傘に入って、
あったかい電気がついたお家に帰っていく人たち。


たまらない孤独感でいっぱいになった。
どれだけ待っても、わたしには迎えに来てくれる人も、
傘を差し出してくれる人もいない。

少し走ればコンビニで傘は買えたのに、どうしても買う気にはなれなくて
びしょぬれになりながら帰って泣いた。


…ような気がする。


そのときの雨と重なった。



ただ、違ったのはそのときのわたしはもういなくて、
雨は慌ただしかった頭の中に休憩をくれた。

目に見えない、やわらかいもので守られているような気がして、
激しく降れるほどにそれは予兆のように思えて、
「雨はじきにやむ」という言葉がそこにはあった。


人は自分の見ている景色を見たいように見ることができる。



ものごとの本質というのは、
たくさんの服を着ているのだと最近思う。
洋服、纏いすぎて重くなってたり、その中心が見えなくなっていたりする。
北風と太陽のおはなしのように
北風にあたればあたるほどに、
本質は服のボタンをしっかりと閉めてしまうのだろう。

太陽にあたたかく照らされれば、
きっとそれはゆっくりと1枚ずつ服を脱いでいき、
最後に残るものはとてもシンプルだ。


そんなことを雨の中で思っていた。





雨はじきにやむ。





しょうがないのでなんとかスターバックスにたどり着いて、
雨が止むまでそこでお昼を食べることにした。






雨のあとの夕暮れは格別に美しいと思う。